女性ホルモン

 

“ホルモン”という言葉は、よく耳にしますが、その意味やはたらきとなると、いまひとつピンとこない人も多いのではないでしょうか。人間のからだとホルモンの役割についてまとめてみました。

血液の流れにのって、情報を伝達する化学物質
 

ホルモンは,からだの特定器官からつくられる化学物質です。その数は約40種類にのぼり,血液の流れにのって,さまざまな組織や臓器に刺激を与え,情報を伝達するはたらきをしています。
 代謝や食,性機能など,大切な生命活動のコントロールは,このホルモンを介して行われます。ホルモンは,心身がバランスよくはたらくための潤滑油として,なくてはならない重要な役割を担っているのです。
 ホルモンをつくる器官を,「内分泌器官(内分泌腺)」といいます。脳の視床下部や下垂体,甲状腺,副腎,膵臓などのほか,性腺(女性では卵巣,男性では精巣)が,これにあたるところです。

ホルモンのコントロールタワーは視床下部と下垂体
 

 からだにとって大切なホルモンですが、分泌される量はごくわずかです。それが、少しでも多くなったり、少なくなったりするだけで、組織や臓器は正常にはたらかなくなります。このデリケートなホルモンをコントロールしているのが,脳の「視床下部」と「下垂体」です。
  視床下部は血液中のあらゆるホルモンの分泌量をチェックし,異常があればすぐに正常に戻す指令を出します。この指令を受けて実際に行動するのが,視床下部のすぐ下にある下垂体です。こうした視床下部と下垂体のコンビネーションによって,私たちのからだの微妙なホルモン濃度は保たれているのです。

 

 一般的に女性ホルモンといわれているのは,卵巣から分泌される「卵胞ホルモン(エストロジェン)」と「黄体ホルモン(プロジェステロン)」の2つですが,女性のからだに関係するホルモンは,ほかにもたくさんあります。これらもすべて,視床下部と下垂体によってコントーロルされています。