薬物治療

主な降圧剤は以下のようなものがあります。

・利尿薬

腎臓に作用して体内のナトリウムや水分を尿として排泄し、血液量を減らすことで血圧を下げます。

・交感神経抑制薬

心臓や血管の緊張を和らげて血管を拡張させて、血圧を下げます。

・カルシウム拮抗薬

血管の収縮に必要なカルシウムが血管壁の細胞に入るのを抑える薬で、その作用で血管を拡張させて、血圧を下げます。

ここで、血管には、カルシウムは悪いものかと考えるかもしれませんが、薬は、局所的に血管壁に働きますから、カルシウムの摂取を減らすようなことはしないでください。反対に、カルシウムは血圧を低下させる作用があるので適度に摂るようにしてください。

・アンジオテンシン(ACE)変換酵素阻害剤

血管を収縮させて血圧を上げるホルモン(アンジオテンシン2)が作られるのを抑えて、血圧を下げます。

・アンジオテンシン2受容体拮抗薬

アンジオテンシン2が血管に働きかけるのを抑え、血管の収縮を抑えて血圧を下げます。

 

降圧剤には、作用のさまざまな多くのものがあります。これらを患者さんの状態に合わせてうまく使い、ゆっくり血圧を下げます。著しく高い血圧でなければ、一般に急いで血圧を下げる必要はありません。数ヶ月の間に目標血圧に達しない場合には、薬の量を増やしたり、薬の種類を変えたり、他の薬剤を併用することがあります。

血圧が安定したら、年に2〜3回の副作用の有無を検査する目的で、血液検査や尿検査が必要です。

降圧薬の主な副作用

降 圧 薬

副 作 用

分  類


尿

ループ利尿薬

尿酸上昇、血糖上昇
カリウム低下

サイアザイド利尿薬

カリウム保持性利尿薬

女性化乳房、月経異常





中枢作用薬

眠気、口渇

β−遮断薬

徐脈、喘息、心不全

α−遮断薬

立ちくらみ

血管平滑筋弛緩薬

発疹、関節痛、頭痛、頻脈





カルシウム拮抗薬

顔面紅潮、頭痛、めまい

ACE変換酵素阻害薬

空咳、発疹、発熱、味覚障害

 

上記のような副作用が出たからといって、薬の勝手な服用中止はかえって、血圧を上げてしまう原因になります(リバウンド現象)。気になることがある時は、医師に相談するようにしてください。