荻元晴彦

第42回定例会 7月8日 プレスセンタ−ホール
目を覚ませ、お人好しの日本人
アシスト代表取締役 ビル・トッテン
*日本は、この美しい国は、アメリカの植民地になってしまったのか。そうでないな
ら、国としての独自の目標があるはずだ。小澤一郎の「ふつうの国」もアメリカ・ス
タンダ −ドだ。中国やフランスともくらべてみてほしい。*そんな日本にとって
「国際」とはアメリカとの関係にとどまる。
アメリカのいいなりになっているかぎり、国連の常任理事国になったところで、アメ
リカの発言力を強めるだけだろう。
*貿易摩擦にしても、アメリカの対中国の貿易赤字は対日のそれより大きいにもかか
わらず、問題になるのは日本だ。日本は、必需の資源輸入のための輸出だが、アメリ
カは国 外で大半を生産し、空洞化は日本より6兆円も上回るという、企業利益追求
による。
*そしてアメリカの要求に屈し、日本はアメリカ社会を崩壊させたやりかた−規制緩
和、弱肉強食、格差拡大・・・を輸入しようとしている。
*メディアもまた、事実をしらせず、国民をマインド・コントロ−ルしている。
*事実はこうだ。いまアメリカは好況だというが、標準世帯の平均所得は年300万
円。課長以下の月収平均が16万円だから、共働きしなければくらせない。日本の大
卒新入社員以下だ。したがって夫の家事労働負担も重くなる。
*殺人事件はグァテマラ並み、1日当り100人もの女性がレイプされても話題にも
ならない。もっとも伸びているのが刑務所建設だ。
*上場企業の社長の年収は30年前には一般社員の44倍だったが、いまでは212
倍。格差の拡大はいちじるしく、一方では18才以下の4人に一人はリテラシ−欠如
だ。
*医療面でも所得、人種差別が目立ち、優秀な医師の海外流出も起こっている。
*情報産業でのアメリカの優位がいわれるが、たしかに情報化における覇権はアメリ
カの知的独裁を許しかねない。しかし、もっとも大切な雇用、賃金からみればたいし
た業界 ではない。むしろ顧客に迷惑をかけるようなものを売り込む業界でもある。
顧客のほう もセ−ルス・ト−クにのせられて不要なものを買い込んでいるのではな
いか。パソコンより電子手帳や専用ワ−プロで十分だとおもう。
*メディアは、真実の事実、事実の真実を語ってほしい。
(報告:平松)
<事務局から>
42回定例会の「トッテン語録」はいかがでしたでしょうか。同氏の『日本はアメ
リカの属国ではない』(ごま書房)が刊行されました。ご参照ください。
「私のプロデューサー論」
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