日光彫の起源は、はっきりわかりませんが、寛永11年(1634)から同13年(1636)にかけて、三代将軍家光が、東照宮を現在の壮厳華麗な社殿に造り替えたとき、全国から集められた名匠たちが、余技として作ったのが始まりと考えられています。 東照宮は元和3年(1617)に創建されましたが、前記の寛永造替工事は、創建の規模を一新するほど大がかりのもので、この造替にあたった大工内夫は延べ168万人、内、彫物大工が40万人におよび、その後も、中小規模の社殿の建築や改修がたびたび行われているため、日光に永住した匠も多かったと思われます。