最新刊情報《1》 (1999年12月発行)
「タイ・インサイドレポート」
「成長神話」の夢と裏切り
プラウィット・ロチャナプルック 著
永井 浩 訳
定価 1,800円+税
豊かさのひずみと苦闘する人々。
『ネーション』の看板記者が剥ぎ取った、タイの現実。
●乱闘騒ぎを繰り返す、落ちこぼれ学生たち ●パッタヤーのセックス産業の真実を知る警官 ●24年間、土地をめぐって国王への直訴を続けた男 ●NGOから証券会社へ、キャリアウーマンの転身
(同書表紙カバーより) {目次} 日本語版への序文 第1章 バンコクと農民 橋の下のドラマ/「今夜はなぜ寒いの?」/米づくりの誇り、いつまで・・・ 立ち上がる農民たち 第2章 労働者残酷物語 リストラ旋風/「気が狂った」医者/サムットプラカーンの一文無し 第3章 人命無視の開発ラッシュ 「スラムの天使」が怒るとき/ホテル崩壊 第4章 教育現場でいま 苦悩する田舎の熱血校長/やられたらやり返せ/「わたしが過激分子?」 第5章 二人の中間層 成功の虚飾/パークムーンの「鉄の女」
第6章 成長するセックス産業 越境する苦界/イエローキャブ/パッタヤーのセックスと嘘と否定 第7章 少数民族集落にしのび寄る観光化の波 海のジプシーの最後/激変するアカ族の故郷 第8章 真の民主主義をめざして 独裁政治の無気味な影/闇夜のホタル/「赤い樽作戦」の真相/国王への直訴 蘭にたくす世直しの夢
第9章 バブルの宴のあとで ストリート・チルドレンの警鐘/「タイを救え」運動/政治への幻滅 訳者あとがき {著者} プラウッィト・ロチャナプルック 1967年、バンコクの中国系タイ人の家庭に生まれる。父は外交官(元駐ソ連大使)、母は王族 幼年時代は父の任地であるブリュッセル、マニラで過ごし、フィリピン大学を卒業。 専攻は地域開発だが、在学中に起きたマルコス政権打倒の民主化運動から多くを学ぶ。 民間企業でしばらく働いたあと、91年からタイの有力英字紙『ネーション』の記者となる。 現在、同誌の特集記事担当デスクとして社会問題の取材・執筆にあたっている。 94年に「サティアンゴーセー・ナーカプラティープ財団」から傑出したジャーナリストとして表彰され、 97〜98年には、ロイター・フェローとしてオックスフォード大学でタイ社会の研究をおこなった。 {訳者} 永井浩 ながい・ひろし 1941年生まれ。東京外国語大学ロシア科卒業。毎日新聞バンコク特派員、編集委員などを経て、現在は 神田外語大学教授。著書に『アジアはどう報道されてきたか』(筑摩プリマーズ)、 『される側からみた「援助」』(勁草書房)、『見えないアジアを報道する』(晶文社) 共訳書に『アウンサンスーチー −ビルマからの手紙』(毎日新聞社)など。 |