Tipo CABEZA レコーディング終了
10月29日〜30日、《Tipo CABEZA》初アルバムの録音をしました。
CABEZA=カベッサと読みます。スペイン語で「頭」という意味ですが、本当は加藤のカ、岡部のベ、佐藤のサを組み合わせたものだ、と以前ご紹介済みです。Tipoはタイプ、つまり「カベッサ型トリオ」ですね。
2日間で11曲。パーカッションのオーバーダビング(岡部さん、ほとんど千手観音状態!)も含めてですから、かなりのスピードだと言えます。ライブでおなじみの曲に新曲も加えました。ラテン系、アフリカ系、アジア系、無国籍系、もちろんジャズ系、さまざまな味が楽しめますよ。
来年はじめにトラックダウンとマスタリング作業をやって、お手許に届くのは春頃でしょうか。
相当楽しめるアルバムになった、と確信しています。
乞う御期待。
区切りの年
身近な先輩たちの訃報が続いて、なんとなく時代の区切りを感じます。
9月12日笈田敏夫さん、享年78歳。11月1日ジョージ川口さん、享年76歳。
ジョージさんは1958年《ビッグフォー+1》結成時に、まだ駆け出しのピアニストだった私を採用してくれた、いわば育ての親です。ここで受けた宮沢昭、渡辺貞夫両サキソフォン巨頭のキビシい薫陶が私のジャズの根になっています。
笈田さんは大学の大先輩。今年6月、〈ハママツ・ジャズ・ウイーク〉のフィナーレで同じく大先輩の北村英治さん(cl)、人間国宝
山本邦山さん(尺八)、ヘレン・メリルさん(vo)と“It's Don't Mean A Thing”を演奏したばかりでした。「久しぶり、マサヒコ、元気かい」と歯切れの良い口調は全く変わらなかったのに。
ジョージさんと笈田さんは「ゲソ」「ジョージ」と呼び合う仲で、1959年のクリスマスだったか、ジョージさんからケーキの箱を「これ、プレゼント」と渡された笈田さんが「何だか怪しいな」といぶかりつつ楽屋へ持って帰り、数秒後「ギャーッ」と叫んでそのまま姿を消してしまったことがありました。箱の中身は蛇で、「ゲソの怖がるものでおどかしてやろう」というジョージさんのいたずらが効き過ぎたというわけです。おかげでその日の《銀座アシベ》はゲスト・ヴォーカルなし。ちなみに前夜ジョージさんの言いつけで渋谷の店に蛇を買いに行ったのは私です。
「高度3000メートルから錐揉みで落ちて、地面に直径100メートルの穴があいたよ。その時のだ」と顎のキズあとを指して「カッカッカッ」と笑っていたジョージさんが加わって、向こう側はますます賑やかになることでしょう。合掌。 |