施設案内

人工透析センターとして、患者さんがより快適な透析とより完全な社会復帰が出来るよう、充実した設備で医療にとりくんでいます。個室も2室設置しております。

クリニック風景クリニック風景クリニック風景
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血液透析(HD)、血液ろ過透析(HDF)、LDL治療

通常の血液透析のほか、透析困難症の患者さんには血液ろ過透析も行っております。現在、LDL治療では主に家族性高コレステロール血症、閉塞性動脈硬化症の患者さんを対象に国立循環器病研究センターと連携し、安全で快適な医療を提供できるよう努めております。

LDLアフェレーシスの治療について

LDLアフェレーシスとはどのようなものですか?

LDLは、low density lipoproteinの略で、動脈硬化の原因になる悪玉コレステロールの代表的成分です。LDLアフェレーシスとは、血液を体内から体外へ出し、血球成分と血漿成分を分離したのち、血漿成分に含まれるプラスに荷電したLDLコレステロールを、マイナスに荷電したビーズに吸着させることで取り除いた後、再び体内に戻す治療法です。もともとLDLを取り除くことを目的に開発された治療法ですが、LDLのほかにも、プラスに荷電した炎症を悪化させる物質や血液を固まらせる物質、血管を収縮させる物質、血管から蛋白がしみ出やすくなる物質などを吸着し取り除くことが報告されています。

LDLアフェレーシスをおこなうのはどのような場合?

LDLアフェレーシスの保険適応が認められている病気で、無条件でLDLアフェレーシスが適応可能なものは、

  • (1) 家族性高コレステロール血症(FH)ホモ接合体

です。条件付きで適応可能なものは、

  • (2) 家族性高コレステロール血症(FH)ヘテロ接合体
  • (3) 薬物治療に反応しない閉塞性動脈硬化症
  • (4) 薬物治療に反応しないネフローゼ症候群のなかでも巣状糸球体硬化症(FGS:focal glomerular sclerosis)

LDLアフェレーシスはどのようにおこなわれるのでしょうか?

LDLアフェレーシスを行うには1分間に約100ミリットルの血液を透析回路に循環させる必要があります。これだけの血液量を確保するための、血液の取り出し口をブラッドアクセスといいます。

カテーテルを通して取り出された血液は、ポンプを使って血漿分離器を循環した後、体に戻ります。血漿分離器で分離された血漿は、マイナスに荷電したビーズが詰まったLDL吸着カラムを循環した後、体に戻ります。

LDLアフェレーシスは血液を体外循環させますので、その際に血液が固まらないようにする薬を使用する必要があります。また、施行中の2~3時間は担当医の指示に従って安静にして頂く事になります。病院スタッフがLDLアフェレーシス中の患者さんの状態を十分に観察しており、適宜必要な処置を行います。患者さんもLDLアフェレーシス施行中に何らかの症状がおこりましたら、遠慮なくおっしゃって下さい。

LDLアフェレーシス終了時には、透析回路内の血液をもどしてからカテーテルを清潔に閉鎖して、次回のLDLアフェレーシスに備えます。

LDLアフェレーシスは、1回行うだけでは効果が限られていますので、患者さんの病気に応じて、保険適応の範囲内で複数回行い、効果を判定します。

水質管理

エンドトキシン濃度測定器を用い、透析清浄化ガイドラインに基づいて水質管理を行っています。また、透析監視装置全台にエンドトキシンカットフィルターを装着し、透析液の清浄化に万全を期しています。

リハビリテーション

透析は同じ姿勢で長時間の治療を受けるため苦痛を伴うことがありますが、当クリニックには専任スタッフが在籍しており、透析中にベッドサイドで

  • SSP(低周波療法)
  • ホットパック(温熱療法)
  • 運動療法(ストレッチ・筋力訓練・体操の指導)

を行い、筋肉のコリ・ダルさ感・関節痛の軽減と予防を図っています。

メディカルコーディネート

退院後から社会復帰まで、体の不自由な方、独居高齢者の生活をサポートするための公費負担制度、生活保護制度、介護保険など公的支援の相談窓口を設けています。