aoilogo2022年3月藍生主宰句
雛の間
黒田杏子


  「吉徳」五句
雛の句の選者三十八年目
なつかしき友みな雛の句を詠みて
雛の句選み選みて八十三
投句者と選者と雛の俳句賞
選み了へたる雛の句寒の月
  寂庵 七句
つくばひにうぐひすの二羽雛の家
寂庵の七段飾うぐひす来
お互ひに一つ歳とり雛の間
寂庵に句座あり雛の間のありし
雛の間寂聴さんと杯あげて
シャンパンののちの「白道」雛の夜
顔施顔施顔施尼様雛の間
  秋田の奥の湯治場に同行 八句
みちのくも奥の湯治場こけし雛
木地山の奥の湯治場こけし雛
こけし雛執筆徹夜尼さまは
小椋久太郎兄弟のこけし雛
湯治場に原稿用紙雛あられ
こけし雛書き継ぐ源氏みちのおく
一行もすすまぬ湯治場こけし雛
月遅れなるみちのくの雛のかほ


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