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黒田杏子
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あはゆきの熄む尼様と語る間に 選句天職雪を聴き花を待つ 二月十日 雪中紅梅石牟礼道子微笑 零下二十度鈴木牛後詠む書く 悼 徳島源久寺 岡村圭真先生 二句 涅槃会に発たれしおひとかなしまず 空海論お遍路講義とこしなへ 二月二十日 日本記者クラブ主催「兜太先生一周忌」のつどい。トークセッション=下重暁子・嵐山光三郎・河邑厚徳・ 黒田杏子(司会) 東京新聞瀬口晴義と映画『天地悠悠 金子兜太俳句の一本道』封切上映。於 内幸町プレスセンター 語り尽くしてきさらぎの月満ちて ほほゑみて母ほほゑみて雛かざる かぞへきれざる雑草園豆雛 佛蘭西の老女一団雛店に 嵯峨野僧伽寂庵 三句 桃の日や瀬戸内寂聴筆一本 筆擱きて足袋履きしめて雛の前 雛納めしていきいきと法話の日 雛店の雛納めこれたちまちに 吉徳本店全館の雛納めたる つちふると平仮名で書き投函す 雛流す子ら奥只見雪解川 雛流す子らにちちははぢぢとばば 囀れるそのただ中にひと惜しみ 日記には朝顔の種蒔きしとのみ |