2018年5月藍生主宰句| 雁帰る |
黒田杏子
| 2018年5月藍生主宰句 |
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黒田杏子
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祝 瀬戸内寂聴先生「第六回星野立子賞」受賞式・祝賀会にご上京 三月二十四日 花満ちてゆく東京の死者生者 受賞者の95歳花の闇 花満ちて尼僧のことばみづみづし 出離者の寂なるかな花あふれつゝ ちさくちさくなられしおひと花篝 颯々と尼僧の歩幅花の夜 花の夜の尼僧を囲みたる宴 底の知れざる東京の花の闇 花の闇生きてわれ等の花の闇 落花一片合掌の袖袂 悼 金子兜太先生 四月五日 ご納骨 戒名「海程院太航極句居士」 花吹雪巨きな柩覆ふべく 石牟礼さん兜太先生花の雲 兜太さん寂聴さん花満ちてきし 花満ちてゆくあたらしきお骨壺 戒名に海程の二字山桜 花陰や大往生のお骨壺 産土の花の回廊生きて死ぬ お骨埋めてめでたかり雉子啼く 花が散る亡きひとと包まれてゆく 雁帰る汝が歌声のとこしなへ |
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