aoilogo2018年6月藍生主宰句
新茶賜る
黒田杏子


  金子兜太先生 五句
掛声を待ちて永眠夜の梅
春眠のひとに掛声川よりす
雉子走る秩父に兜太句碑十二
産土の句碑それぞれに野水仙
お骨埋めて暁闇のほととぎす
  寂聴先生 七句
母の日来尼僧に届く娘の手紙
子を捨てし出離者木五倍子揺れはじむ
母の日の草庵を訪ふ娘のひとり
母の日や寂聴さんと理子さん
衣更へて句作明晰に在ます
  五月十五日
祭来る法臘すでに四十五
明晰な晩年オールドローズの香
  回想 三句
純白の野ばら雑草園黄昏
土筆煮てみちのくぶりの夕ごはん
それはそれはいそ子夫人の豆ごはん
  第一句集刊行の依田百合さんに
なかんづくルイーズ・オディエ薔薇館
存へて新茶賜る手紙賜る
母の日や母の書翰の数知れず
衣更へて楠の木亭の晩ごはん
  五月六日 草加市アコスホール 公開座談会の司会
おせんべに新茶キーン先生と


戻る