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黒田杏子
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月蝕けてゆく蝋梅の香なりけり 1月31日 帝国ホテル 朝日賞受賞者星野立子賞 尼さまのいよいよ小さし寒明くる 作家僧侶更に俳人寒明くる 星野立子瀬戸内寂聴春満月 春星座逆巻く嵯峨野僧伽かな 淡雪や嵯峨野僧伽の微笑仏 立春のひかりすつくと尼法師 句集「ひとり」小説「いのち」冴返る 浄らに寒し寂庵雛の間 母の夢尼さまの夢梅二月 女子大のことしは早き梅椿 梅椿節分草も背伸びして 欲しいもの無し春雷の暁に醒め 豆を打ち豆拾ひ合ふふたりかな 生きてゐてめざめて寒の明けにけり 八十歳迎へよと寒明けにけり 寒明くるわれ等八十死支度 なにか愉しく嬉しき夢をみて二月 杳かより杳かあかとき春の雷 |