aoilogo2018年2月藍生主宰句
月冴ゆる夜を
黒田杏子

初夢の月巨きかりまぶしかり
屠蘇風呂を出てあらたまる身とこころ
安眠の冬眠に似る二日かな
寒月の径音たてて散る椿
足摺の寒月光を徒遍路
あらたまの足摺月の岬なる
補陀落東門冬満月天心
師走満月碑林曼荼羅直下
足摺野地菊命名者富太郎
常温の酒は黒帯かぶらずし
とくとくと酒は常温かぶらずし
お餅きて雪大根のきて安堵
生涯のふたり暮しの年用意
考へることもたのしみ去年今年
年守る老人われら喧嘩せず
霙るると秩父音頭を唸り出し
選句させて頂く月冴ゆる夜を
式根島より明日葉と雛百句
雛の句選み選みて傘寿われ


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