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黒田杏子
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九月二十五日(火) 朝日ホール「兜太に集ふ」 六句 巨いなる人ほほゑみぬ秋の雨 十六夜の人は発つみなひとりづつ 俳諧師下重暁子秋時雨 人惜しむいとうせいこう秋惜しむ 十六夜の上野千鶴子の髪ばら色 TORUHAGAを囲み秋雨聴きて酌む 九月二十八日(金) 東京女子大学創立百周年記念「96歳 寂聴さんとともに」対話講演 大講堂にて 十四句 秋天のひかり出離者の来たれり 対話講演受付テント野菊 ひるがへる尼僧の袂草紅葉 秋天や百周年の木々のこゑ むさし野に秋声を聴く尼法師 秋風を踏み秋風を聴くしばし 法臘は四十五歳秋高し 秋天や出離者のこゑみづみづし 尼様のもとより無頼野分晴 こけし屋のマダム尼様秋の薔薇 蒼天の秋極まりぬ百周年 天高しSS精神忘己利他 ひとり来てひとり往く径秋の声 ここよりのいよいよひとり大花野 |