aoilogo2017年9月藍生主宰句
山百合忌
黒田杏子

  2006年7月31日、88歳でこの世を発たれた社会学者・歌人の鶴見和子さん。通夜に参じた宇治のケアハウスの
  庭園に点在していた白百合。鶴見俊輔氏の賛意を得て忌日名に。和子さんを「語り学ぶ会」として毎年全国から
  山の上ホテルに会費制で集る。黒田はご縁を得て毎回司会をつとめてきている。主催は藤原書店。
この國にあり山百合忌原爆忌
剪りたての莟深山の百合の丈
山百合の香に乱れなき人の列
遺影立て山百合の間となりにけり
姉弟過ぎ山百合のひらき継ぐ
はればれとみないそいそと山百合忌
山百合忌美智子皇后ご着席
南方熊楠百五十歳山百合忌
  今年ゲストスピーカーの
芳賀徹松居竜五氏山百合忌
和洋華ととりわけてみな山百合忌
  和子さんの
映像の最終講義山百合忌
  和子さんを送る
鶴見俊輔「葬送の記」も山百合忌
散骨の舟の顛末山百合忌
  後半のプログラム 三句
舞ひいづる野村四郎師山百合忌
皇后の御歌しみじみ山百合忌
一首二首舞はるる御歌山百合忌
この國の未来現在山百合忌
山百合忌篠田桃紅メッセージ
女書生老婆山姥山百合忌
発ちて女人山百合の香のとこしなへ


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