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黒田杏子
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雪代山女雪代岩魚かなし 花を待つ寂かに生きて花を待つ 存在者金子兜太と花を待つ 傍らにひと居て寂か初櫻 この國に生きて哀しめ初櫻 ワシントン発アビゲール花便り 秩父小鹿野の新井 清さん 三句 花の雨さくらを植ゑてきしひとに ひたすらにさくらを植ゑてながらへて 花の雨聴きてしづかに櫻守 深く睡りてこの世なる花の雨 一句書きつけまた睡る花の國 花に問へ花に問へこの世のちの世 秩父櫻花巡礼 八句 老女また花をたづねて花にまぎれて おへんろにあらねど秩父花の句座 花の山なりよろこびもかなしみも 長命の山姥つどふ花の山 山上に音曲しばし花の山 花の句座六十人の奥秩父 ひらきつぐさくらの國をかなしみて たそがるゝ國ありしだれざくらかな |