![]() |
|
黒田杏子
|
寒紅梅やがて白加賀月夜なる 蕗のたう田楽にして三つづつ 修二会椿のこの一枝莫山と お接待ひとりにふたつ蓬餅 花を待つ切手箪笥をあらためて 蛇穴を出てゆつくりと走り出す お発ちです一羽余さず都鳥 連なれる光の欠片鶴帰る 乱れなき光体の列鶴帰る 鶴帰る一夫一婦の銀の列 鶴帰る鴨帰る帰れないひと 第五回 星野立子賞 駒木根淳子さん 受賞者をことほぐ句座も雛の頃 花入に貝母とけさは桃の花 第二句集を頂く 啓蟄の雨なつかしき関悦史 三笠宮妃百合子殿下春星座 あたたかし三笠宮の句を写し 北九州俳句大会 三句 初蝶のひかり蘆屋釜のひかり 佐賀の友鹿児島の友初蝶来 宇多寺井岩岡黒田初蝶来 那須の山深山おだまき揺るる墓 |