aoilogo2017年4月藍生主宰句
花を待つ
黒田杏子

寒紅梅やがて白加賀月夜なる
蕗のたう田楽にして三つづつ
修二会椿のこの一枝莫山と
お接待ひとりにふたつ蓬餅
花を待つ切手箪笥をあらためて
蛇穴を出てゆつくりと走り出す
お発ちです一羽余さず都鳥
連なれる光の欠片鶴帰る
乱れなき光体の列鶴帰る
鶴帰る一夫一婦の銀の列
鶴帰る鴨帰る帰れないひと
  第五回 星野立子賞 駒木根淳子さん
受賞者をことほぐ句座も雛の頃
花入に貝母とけさは桃の花
  第二句集を頂く
啓蟄の雨なつかしき関悦史
三笠宮妃百合子殿下春星座
あたたかし三笠宮の句を写し
  北九州俳句大会 三句
初蝶のひかり蘆屋釜のひかり
佐賀の友鹿児島の友初蝶来
宇多寺井岩岡黒田初蝶来
那須の山深山おだまき揺るる墓


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