aoilogo2017年3月藍生主宰句
花を待つ
黒田杏子

賀状千通寒見舞二百通
埋火の手焙り雑草園主人
寒星座ひしめきぬ旅人われ等
九條葱「川上」松井新七と
寒中見舞上野千鶴子氏走り書き
  「関西勉強会」しんらん会館
長さんも玄果和尚も寒日和
寂かなる速歩寒中老遍路
豆を打つ拾ふ長寿者障害者
選句して夜は豆を打ち拾ひ喰ふ
雛の句選者三十三年目
  その昔「みの家」にお招きを頂き
節分の祇園に酔うて尼御前は
節分のお化けと踊る尼御前も
  忘れ得ぬ「あんず句会」の朝 四句
閂に薄氷嵯峨野僧伽なる
薄氷を割つて寂庵扉を開く
薄氷を踏む寂庵の勝手口
薄氷に包まれてみな微笑佛
  秩父の
寶登山蝋梅両神山節分草
闘病者島田勝と花を待つ
食べる飲む読みて書く春の星ぎつしり
立春の星足摺岬に無盡蔵


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