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黒田杏子
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賀状千通寒見舞二百通 埋火の手焙り雑草園主人 寒星座ひしめきぬ旅人われ等 九條葱「川上」松井新七と 寒中見舞上野千鶴子氏走り書き 「関西勉強会」しんらん会館 長さんも玄果和尚も寒日和 寂かなる速歩寒中老遍路 豆を打つ拾ふ長寿者障害者 選句して夜は豆を打ち拾ひ喰ふ 雛の句選者三十三年目 その昔「みの家」にお招きを頂き 節分の祇園に酔うて尼御前は 節分のお化けと踊る尼御前も 忘れ得ぬ「あんず句会」の朝 四句 閂に薄氷嵯峨野僧伽なる 薄氷を割つて寂庵扉を開く 薄氷を踏む寂庵の勝手口 薄氷に包まれてみな微笑佛 秩父の 寶登山蝋梅両神山節分草 闘病者島田勝と花を待つ 食べる飲む読みて書く春の星ぎつしり 立春の星足摺岬に無盡蔵 |