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黒田杏子
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震度5の那須野ケ原を白狐とぶ 富有柿この世の隅に座して剥く 眠ること眼をさますこと國枯れゆく 宮尾さん句集『別の朝』 長き夜を読み書き継げば朝日燦 句集『陸沈』のひとに 冬麗のかなし齋藤愼爾また 句集『百の蝶』讃 冬麗の高浦夫人蝶連れて 感謝の「白塔会」の日々 三句 賜りし寒月の句座しぐれ句座 小春その句座に三笠宮様も こけし屋のケーキと紅茶冬木の芽 小春日のひかり ![]() ![]() 山陰石楠先生 十月四日 長逝 五句 夢百句高野全山夕紅葉 秋声のその一語またその一語 美丈夫不在高野山後の月 白眉の哲人の炉辺清められ 眼光のまなぶたを閉ぢ銀河行 青邨先生の御霊に 五句 暁けてくる雲間大白鳥群舞 日の出盛岡大白鳥滑空 もりをかの旭大白鳥よぎり 墓山に大白鳥のこゑ天降り 大白鳥金運を縫ふ青邨忌 |