aoilogo2016年8月藍生主宰句
深悼 永 六輔さん
黒田杏子

   七月七日長逝八十三歳。黒田は三十代の終り頃より博報堂で
  永さんの担当者に。『木の椅子』で世の中にひっぱり出されて以来、
  永さんと寂聴先生の絶大な激励と応援を頂き続けてきました。

お発ちとや四万六千日待たれず
この國に永さんと居た夏終る
尺貫法憲法七夕笹の文字
パーキンソンキーパースンに虹二重
粋でした反戦反骨藍浴衣
泣きません見上げてゐます梅雨の星
  「東京やなぎ句会」ゲストとして最多出席 六句
うな重の届き〆切夜の句座
六丁目土茶徳三郎夜の秋
    *それぞれ永六輔・柳家小三治・矢野誠一氏の俳号
永さんの句とすぐ分る虫しぐれ
Tシャツのひとまた名告る六丁目
車椅子にてご退席遠き雷
  思い返すほどにご恩限りなし
「ラジオ子供電話相談室」真夏の句
被災地のラジオにお伴てんと虫
熱中症にはご注意を旅便り
四十年繪はがき五百お風入れ
墨跡の涼し「高貴降霊 火の用心」
  その昔、私たちは・・・
男のをばさん女のをぢさん晩夏
  たまたま京都の帆布鞄のファンでお互いに
一澤のヘビーユーザー日の盛
大往生ですね合掌大南風


戻る