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黒田杏子
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お電話を賜る おお兜太だ勤労感謝の日なりけり 小鳥来るわが広辞苑机上版 小越米子さんよりの 竹皮にくるまれいちじく羹熟成 保存樹林欅黄葉のはじまりぬ おはやうと欅は黄葉尽くしけり ご寄贈の著書山と積む神無月 寒月に伏したる句作三昧者 新豆腐新蕎麦と書き日記閉づ アビゲールさん第一句集に 活版布装冬麗の富士天に 二十五周年に揃う三人の美女 不二いつき美都わが同志小六月 おけさ柿会津身不知醂柿 藤川游子さんよりの 小春日の宅配便に切手帳 重ね着て藜の杖をたのしみて 上野さん新刊『おひとりさまの最期』 独居老人千鶴子に金の銀杏降り 荒このみ訳『風と共に去りぬ』第四巻まで刊行 櫨紅葉燃ゆ荒正人荒このみ 福山良子さんよりの 伊賀の獅子柚子鬼柚子とも申す 九度山の富有柿美濃の富有柿と 兄和夫 十年祭 天国の父母兄ときて日向ぼこ 覚めてまた木の葉の時雨聴くしばし 青邨忌冬青空に手を合はす |