aoilogo2014年7月藍生主宰句
梅雨夕焼
黒田杏子

朝櫻めじろ科めじろめじろ押し
花満ちてどこへもゆかず本読んで
  四月一日 浜子先生 休診一年
はれやかな微笑まばゆき白牡丹
かがやかに記憶の廃墟花の雲
満開と句碑の寺より花便り
  四月十二日 村重尚さん 瑞光院真阿尚道居士
存分に生きたる君に百千鳥
壺すみれにも花びらの散りかかり
  四月二十八日 出井孝子さん お別れ会
永訣の一花大輪黒牡丹
独居老人端座して菖蒲酒
初摘みの五條の柿の若葉ずし
ちちははの在りし那須野の初蛙
一籠にこごみたらの芽こしあぶら
青嵐白塔といふ旧き句座
風の館オールドローズの館
水茄子の藍とさみどり朝ごはん
紅粉花百茎月山の麓より
伽羅蕗を小筥に詰めて能登の人
青梅雨を聴き手紙書く切手選る
  六月十日 歓談
朗読者加賀美幸子氏麻生成
きのふけふあしたあさつて梅雨夕焼


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