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黒田杏子
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猪股凡生さんより 鰤を待つ村しづもると佐渡便り 冬黄葉冬草紅葉微笑佛 文填としておけさ柿二三日 白塔会にて河村晶子さん自作の華麗なるカーディガンを拝し 毛糸編むことなく句座に年重ね 小春日やまこと小春のごとき句座 青邨忌に。和田本町回想 清らかな火鉢雑草園主人 永源寺道前管長白襖 湯豆腐や土鍋も割れず五十年 飯田多惠子さんお手製の 冬至来る三廬の柚子のグラッセと 常温の酒上品に蕪寿し *「上品に」即ち「タダ酒は飲まぬこと」。これは暉峻先生の遺言 数へ日や冬青空を映す川 「銀河山河」を盛岡の皆さんの手で 句集供ふる雪掃いて山の墓 都鳥乱舞納めの句座へ橋 お命日ふゆるよ狐火のふゆる 寝落つしあはせ覚むるしあはせ真冬 ☆お知らせとお願い この二月末(予定)に住みなれた市川市から、産土の地東京本郷の小さなマンションに引越し ます。本格的な移転にはなお時間がかかるのですが、このたびの私の句集へのお祝いのお花 やお品などは勝手ですが一切ご放念下さい。お便りなども事務所宛にお願いします。(杏子) |