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黒田杏子
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八月二十四日 野の民族学者 涼気一陣谷川の天に消ゆ 蟲の音を聴きわけて年重ね合ふ つゆ草と銀水引と刈萱と 五十嵐秀彦第一句集 つゆ草の露の一輪無量光 待宵の月まぶしみてかなしみて 剪り挿して月の芒のひらきつぐ 浅井敏子さん もはや名人大栗の渋皮煮 天心の月流失す焼失す 月高くなりし机上に棺一基 *大道寺将司全句集 姉妹弟います月今宵 十六夜の天心になほ雲拂ふ 松山道後行 三句 一遍七百二十五回忌寳巌寺 灰燼に帰したる安堵一遍忌 生存者長岡和尚一遍忌 中村苑子先生 十三回忌 彫漆小筥のとどく秋彼岸 |