aoilogo2012年1月藍生主宰句
牡丹焚火
黒田杏子

小春この障子の内の果報者
小春日やまなぶたを閉ぢおもふこと
読まず書かず選句せず小春日
髪剪つて銀座時雨るる六丁目
時雨るるもよしこれよりのわが旅路
佐渡に懸かれる時雨虹いくたびも
遺されしものステッキと時雨傘
 永六輔さん コンサートを前に
寝室で骨折の報時雨れけり
ちちははの庭のおほきな焚火跡
父の投ぜし朴落葉火の最期
くべ足してあふれて牡丹焚火かな
手袋の穴もかがつてくれしひと
はせを忌の暁闇編上靴磨き
水底の冷一幹の櫨紅葉
ひひらぎの花母の花垣の花


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