2012年2月藍生主宰句 |
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黒田杏子
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炎まみどりむらさきに牡丹榾 けさはこの紺侘助を父に剪り 十二月四日来日 小春東京アビゲール不二日和 佐渡沖の寒鰤虹をまとひ着く 鮭のぼる川もりをかの月の川 雪雲に入る大白鳥象牙色 白鳥のこゑの真下にめざめたる 雪雲も大白鳥も夜明け前 南部桐その実を鳴らす高き風 墓山に到ればひらく霜の花 校塔を過ぎ大白鳥雪空へ 会員に女性医師多ければ 医師の眼と俳人の眼と年暮るる 大白鳥いそげ純白南部富士 瑕ひとつなき葉つき柚子山廬より 読み選み書きて話して年つまる |