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黒田杏子
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白露の天へ白足袋はきしめて 荷物そのままふつと消ゆ曼珠沙華 月の香の白曼珠沙華剪れど剪れど 夢の外までいちめんに露の玉 おろおろとをりたれば富士に初雪 手紙書く千草の露に墨を磨り 佐渡の月高野の月よ伊予の月 あかときの蟲聴き分けよ巡礼者 山國や日の出にひらく曼珠沙華 月光のかたち白曼珠沙華反りぬ 曼珠沙華白曼珠沙華蒼深空 子規記念博物館ホールにて「子規さんのご恩」 糸瓜忌の松山に子規語りけり 青石の月に濡れゆく一遍忌 草庭の三千坪の露浄土 栗名月古家の屋根の野良猫と |