2010年6月藍生主宰句 |
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黒田杏子
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あはうみの闇あふれしむ花篝 かなしめば千本櫻鐘ひとつ 白魚など玉子にとぢてふたり棲む 入院をして退院をあたたかし 吉徳十二世 山田徳兵衛氏 雛店のここに江戸より三百年 四月十五日 高野山 いま熄みし雪の太閤櫻かな 四月二十日 山廬行 飯田秀實・多惠子ご夫妻 燭を継ぐあしたの瀬戸の山櫻 床下のたかんなの頭(づ)を伐り払ひ 朝櫻辛夷小綬鶏山廬守 四月三十日 「藍生にいがた」勉強会 三句 春愁の巫女掃ききよめ掃ききよめ 夜の句座に山本浩田植前 骨折の磯部游子と春惜しむ 立夏なほ兄に護られ父に護られ 母とならねば祖母とはならず涼し じつと待つしづかに待てば祭笛 |