2010年5月藍生主宰句 |
|
黒田杏子
|
暉峻桐雨宗匠 常温の酒花冷の十回忌 二人の母に 田正子名取里美サクラサク 車椅子青年俳人花浴びよ 花の屑句屑いよいよ降りつもり 厭離庵まで帰らるるさくらの夜 四月六日 光淨院に御影を拝す 一山の花ひかりあふ百ヶ日 死者の数ほどひらきつぐ山櫻 花のこゑはせをの夢の奥のこゑ はなびらのひかりことのはのひかりと 花の山遷化なされし花の雲 夕星や花の三井寺園城寺 寂かなる灯を献じゆく花の木に 花満ちて観音堂に月満ちて 三井寺の櫻一幹づつ灯り 福家俊明長吏さま亡き夜の櫻 |