aoilogo2010年2月藍生主宰句
鐘冴ゆる 
黒田杏子

そば掻やかの世に一茶清水哲
往還に出て竹馬のさて何処へ
夜祭の神馬を還す武甲山
捨ててはならぬ手紙束ねて冬至
重ね着てたのし年とつてもたのし
三日月や納めの句座の向島
黄金柚子巡礼の鈴古机
六林男鬼房敏雄先生寒星座
枯葦のやうにやさしくなられけり
年つまる海の花火を見て睡り
酒すこし甘味をすこし年送る
切餅のにほひ編上靴磨く
金利惠の一句かなしむ十二月
狐火や兄弟姉妹吾にありしが
十二月二十七日 園城寺(三井寺)福家俊明長吏様
鐘冴ゆる星鮮たなり巨きかり


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