2010年1月藍生主宰句 |
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黒田杏子
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立冬の鐘淡海を鎮めては かばん屋の信三郎と落葉踏む 梅黄葉櫻の紅葉火恋し 通勤のむかしむかしの都鳥 富士を見て十一月を熟睡して ことし「沼杏」句会も十周年 四句 冬の蝶冬の青空沼津垣 牧水の盃の藍富士冠雪 厚物に指触れ巨き白き富士 冬麗の富士拝し句座はじまりぬ 木瓜子山の墓前に返り咲く 洋梨のどれも不安げなかたち 忌につどひくる塩引派荒巻派 炉開きの木曾よりとどく木の實菓子 笹鳴や寂聴さんのお励まし 柚子湯して寅歳の夢二つ三つ |