aoilogo2009年11月藍生主宰句
堅田天然図画亭観月会その他
黒田杏子

 月を待つ還らぬひとのありてなほ
 満月や居初家に寄す湖の韻
 七十をひとつ越したる良夜かな
 十五夜の堅田の句座に野洲のひと
 月高くなりて主の退出す
 月影を踏み月影を踏みわたり
 月今宵光浄院に長吏さま
 月祀る戦後の母のいきいきと
 月の道疎開きやうだい唱ひけり
 山の子に山栗ごはん月祀る
 きのこいろいろ月祀る木のお椀
 月祀る若きちちはは祀るごと
 十六夜の彦根のお城巡りけり
 日が沈むそして巨きな月の湖
 十六夜の月の彦根の湖しづか
 


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