aoilogo2009年2月藍生主宰句
冬満月 
黒田杏子

 
  松江行 五句
虹二重三重四重湖上神迎ふ
風神雷神初雪初霰
神在の松江しぐるる月あげて
夕焼濃き松江や走りそば尽くし
熱燗やとつぷり暮るる出雲人
  寂聴先生は 二句
法名の三十五年冬満月
ゆく年の山姥といふ書下ろし
手袋を買ひ梟を聴きにけり
かなしめば島梟の総毛立つ
 十二月十一日 白塔会
年惜しむ句座となりけり宮様と
坂のぼりしづかにくだる古稀小春
街に下りきて火を焚ける山姥も
山姥の句座につらなる冬霞
湯布院のおほきな柚子を湯に投げて
蓮根掘るをみないよいよたのもしき


戻る