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黒田杏子
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紅萩ののちの白萩くぐらばや うれしさの木の香草の香木の実の香 十月七日 坂東吟行第三十回残すところ三ケ寺 秋声や関八州の観世音 金目観音門川を鮎落ちてゆき 蓮の実の飛びつくしたるのちの句座 行秋の切手?笥を改めて 早起きのふたりとなりし露葎 去来忌の露けき嵯峨野憶ひつヽ みな揚げてぎんなんむかご山の栗 貼り替へてありたる障子十二枚 山田哲夫人恭子さん 三七日の夫に琴弾く夜長妻 招かれし山廬の後の月あかり はせを忌や百歳の母五年祭 銀杏も栗もとどきぬ後の月 永き世をふたり長き夜なるふたり |