aoilogo2007年12月藍生主宰句
後の月あかり
黒田杏子

紅萩ののちの白萩くぐらばや
うれしさの木の香草の香木の実の香
   十月七日 坂東吟行第三十回残すところ三ケ寺
秋声や関八州の観世音
金目観音門川を鮎落ちてゆき
蓮の実の飛びつくしたるのちの句座
行秋の切手?笥を改めて
早起きのふたりとなりし露葎
去来忌の露けき嵯峨野憶ひつヽ
みな揚げてぎんなんむかご山の栗
貼り替へてありたる障子十二枚
   山田哲夫人恭子さん
三七日の夫に琴弾く夜長妻
招かれし山廬の後の月あかり
はせを忌や百歳の母五年祭
銀杏も栗もとどきぬ後の月
永き世をふたり長き夜なるふたり


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