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黒田杏子
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坂東吟行第十一番安楽寺行 心経一巻奉る寒日和 百穴を辿り巡りて花を待つ 塗香して吉見観音初太鼓 阿蘇の自然薯五尺なる寒見舞 節分草母の写真をふところに 払暁四時五分より連続して放送 ラジオ深夜便こころの時代梅暁くる 寒明くるひとつふたつと古希の計 向島百花園 お借り申す座敷ひねもす梅の句座 四分咲白加賀見驚紅千鳥 梅散らす眼白うぐひす四十雀 今年の元旦は二月十八日 旧正の六輔さんの賀状また 年賀状に永さんはかく生きると記され 横丁のご隠居さんの梅便り 選句して腹七分目梅の花 十一世徳兵衛さんと雛の酒 出雲崎大黒屋より櫻餅 |