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黒田杏子
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ことしこそ比良八荒の淡海に 年の豆桝にてとどく近江より 寂聴先生祝賀会相次ぐ 春星座つひに大鬼となり給ふ 句集「微笑」あんず句会二月例会場に届けられる 八十の春立つ句集まくれない 余寒なほ草木の恩句座の恩 中村昭子さんに 寒明くる微笑ことのはとこしなへ 曾祖母の雛祖母の雛みどりごに 寂庵の七段飾雛の膳 常温の酒をえらみて花を待つ 伊根行五句 春愁の浦島太郎なつかしみ 春潮の路地胸底に蕪村の句 春星座低き枕に触るるかに 伊根の星舟屋の春の灯とあまた 春潮の枕辺に置く旅守 二月二十五日飯田龍太先生長逝の報に お訣れの山廬をつつむ春の星 |