aoilogo2007年3月藍生主宰句
節分草
黒田杏子

 日脚のぶまたたびをんな川を跳び
  切りわけてこれは輪島の丸柚餅子
    わが庭に青邨先生遺愛の
  ひらきつぐ雑草園の雪椿
  松過ぎの白菜漬けの香なりけり
  紐かけて捨てて火にくべ日脚のぶ
  アビゲール不二と墨書の寒見舞
  寒鱈の真闇のひかり発しけり
  素心 梅寂庵の香なりけり
    さるお方の
  卒寿より百寿へ寒満月の道
    白塔句会は五十余年の歴史を刻む
  われら旧き句座につどいて寒明くる
  夢の奥まで両神山の節分草
  立春大吉紫野眞珠庵
    吉徳ひな祭俳句大賞も二十三回となる
  雛の句の葉書の束の無尽蔵
  お白酒白寿のひとに奉る
  書きて読む砦一間の春炬燵


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