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黒田杏子
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おさがりの九度山の柿おけさ柿 序文つひに書き上げにけり白鳥来 向島百花園 葛棚の黄葉あかりにきて座して さろん・ど・くだん第一回十一月七日山のホテルにて 冬に入るドナルド・キーン先生と 三笠宮若杉先生をお迎えして十一月八日 白塔の句座に宮様くわりんの實 白川静先生お別れ会十二月七日グランヴィアホテル京都二句 白川大人昇天のしぐれ虹 越前ゆ京都へ刷かれしぐれ虹 いい月ねほんと師走も十六夜 極月の月朱ければ旅ごころ 極月のいざよふ月を吾妻橋 蒸し上がるでつち羊羹神迎 薬喰曾祖父さんの紬着て 手書き派の炬燵卓袱台塩せんべ 「沼杏」熱海二句 ゆく年の十七人の花火かな この年を仕舞ふ熱海に花火見て |