aoilogo2006年11月藍生主宰句
破芭蕉
黒田杏子

寂聴塾連踊浴衣のしつけとり
宿根木の和尚の手紙いわし雲
橋踏みてきて萩の風踏みわたり
一茎のすすきのひらく銀の海
虫滋き夜は巻紙の手紙読む
白曼珠沙華月光をとどめたる
いつまでもふたり白炎曼珠沙華
     さるおひとの 二句
つひにつひにつひに孤りの野分雲
銀芒波立つ銀の杖いつぽん
虫の夜の切手箪笥をあらためて
     宝厳寺
一遍忌近し銀杏地を打つて
松山びと相原左義長いなびかり
お団子の差入れ句座にちんちろりん
暁の虫なかんづく鉦叩
破芭蕉とは冷たかり巨きかり


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