2006年4月藍生主宰句
冴返る
黒田杏子
選みけり地吹雪の句と雛の句
六輔と躍る文字の
旧正の賀状ことしも遊びましよ
立春や机を寄せて清記して
ぽんかんたんかんいよかんも供へけり
あたたかし畳あをあをあたたかし
梅一輪畳も替へてありにけり
けさひらく節分草をなつかしみ
母とふたり節分草をたづねあて
けさの朝日節分草になかんづく
節分草白光金とむらさきと
おん母と書き出して月冴返る
月暦睦月十五夜古机
冴返るひとの手紙を火にくべて
冴返る発ちたるひとの句を正し
人の恩句の恩雪夜月の恩
3月
戻る