aoilogo2005年3月藍生主宰句
うぐひすの
黒田杏子

先達を見失ふまじ初御空
一ト日送り一ト日を迎ふ冬木の芽
氷るもの氷りしのちの月の国
めざめては睡りめざめて雪の山
いのちながしみじかし餅花の影
雪暮れてむらさきに碾くそばの臼
そば打つて打つて年寄る雪の川
霧氷林樹氷林藍憂愁林
雪を聴くきのふのわれを聴くごとく
立石寺雪の深さをなつかしみ
つぎつぎに発つつぎつぎに寒牡丹
寒牡丹推して敲いて年とって
白神のかの白蛇の眠る淵
日脚のぶ木の香草の香古人の香
うぐひすのやってきさうなひるさがり


戻る