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黒田杏子
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遍路吟行第28回 伊予43番明石寺 一人の欠けし極月遍路かな 火を踏みて炎を渡れ十二月 死者の記憶の歓喜満つ落葉籠 ほほゑみの空席に降る冬雲雀 りんご煮てお写真を立て青邨忌 献杯の夜の返り花風の熄み ざる一枚風呂吹地酒小一合 もりをかを想へば 青邨忌暮るる大白鳥の舞ひ 十二月十二日 あをあをと師走六林男師天上忌 ほほゑみといふ遺品あり十二月 十二月十六日 桂先生も発たれ(ご本名) 丹羽信子九十年冬青空 そののちの月光かぎりなきま冬 両師の忌日・仮に名付けて 十二月天上忌また月光忌 十二月十七日 あんず句会 寂聴先生のお話あり 空席に微笑寒禽ひるがへり すててこそ寂聴法話納句座 |