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第十三回 一月・新潟の藍生だより つづき

冬の新潟 上越編  

句・文・写真 丸山智慧子

【高田城三重櫓】
高田城は慶長19年(1614)に松平忠輝の居城として着工後わずか4か月足らずで完工。石垣を用いず土塁をめぐらし、天守閣もなく、本丸南西の三重櫓が高田城のシンボルだったそうです。現在の高田城三重櫓は、文書や古絵図、発掘調査による資料をもとに平成5年に復元され、1・2階は展示室3階は展望室になっています。       

あるだけの日差しを掴む冬木の芽 智慧子

城のある「高田城跡公園」は春になると四千本の桜が一斉に咲きます。それまでの長い冬の期間は、この冬芽が我々に春への希望を与えてくれます。

高田城三重櫓
小林古径邸 【小林古径邸】
同公園内に高田城三重櫓を見上げるように建つ「古径邸」は、東京大田区南馬込の古径の住い(昭和9年に建てられた)を平成13年公園内に移築、復元したものです。木造二階建・数奇屋造りの素朴で洗練された美しい建物は、近代数奇屋建築の様式を確立した建築家吉田五十八が設計し、棟梁岡村仁三が施行。伝統的な数寄屋建築の技法の中にボルトを使用するなど「近代数寄屋」に通じる新しい試みも見られます。当時の大工技術の粋を集めて建てられた建築史的に見ても貴重な文化遺産です。隣には古径の作品制作の場であったアトリエも復元されています。


白障子わが待つ時間こんこんと  智慧子

藍生にいがた初句会

1月4日、例句会場の「東新潟コミュニティーセンター」で申年初句会が9名の参加を得て、当季雑詠5出句5句選で行われました。
初句会ということもあって新年を寿ぎながら、軽い飲み物とお弁当をいただき、気持ちのほぐれたところで句会は始まりました。各人の選んだ特選句の方には、各人持ち寄りのお年玉を差し上げました。
参加者の句を一句ずつご紹介します。

初明り金の家紋の鬼瓦 
初電話天までかけ昇りさうな兄
二代目を守り通した古希の春
胎動を感じるお腹初笑ひ
進退を決めかねてゐて冬籠る
着ぶくれてすんなり祖母になつてをり
主なき庭しつかりと冬木の芽
冬の夜に冬のソナタの終りけり
豆腐屋に水音なくて松飾
加勢 白汀
小山 弥生
鈴木 清鳳
鈴木  靖
竹本芙美子
長谷川 春
村山 洋子
山崎  巖
山田  哲 

記:山田  哲

*写真はクリックすると拡大表示されます。
文中に撮影者名のない写真、文:(c)山田  哲
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