aoilogo2004年12月藍生主宰句
能登しぐれ
黒田杏子

   松本市美術館「井上有一と下保昭の山山の山」展
 鈴の音の過ぎて鉦の音柞山
 山姥に山山のこゑ月のこゑ
 十三夜山歩みくる歩み去る
 山姥の舞ふほかのなき月夜かな
 月明の山出口なしつひになし
 山姥の切火をこぼす銀河かな
 骨拾ひ了へたる山の眠りけり
   第88回加賀千代女全国俳句大会セミナー
 加賀白山報恩講荒れののちの虹
 あさがほの実となる頃を松任に
 加賀しぐれやがてむらさき能登しぐれ
   鎌倉虚子立子記念館 十月六日
 小鳥来る虚子直系のひとのかほ
 虚子の間と立子部屋と月の山
 鵙の贄女流俳人の先達
 谷戸わたりくる秋風を聴けとこそ


戻る