2004年9月藍生主宰句 |
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黒田杏子
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隠岐の塩与那国の塩雲の峰 草田男と書きていよいよ夏深し はるばると暁蜩のはるばると 暁蜩はるかにわれを憶へとや 父憶ふ葛棚の風母憶ふ 熊野三山虹くぐり虹くぐり 大瀧や舟の速さを熊野灘 み熊野や木の根草の根昼寝覚 電話せず見舞はず小暑とはなりぬ 燭上げて初蜩とおもひつつ 七月二十日日向より今年米 妣に蒸かす阿波の鳴門の走り藷 坂東吟行第17回高崎 上州の涼気ゆっくり人を刺す 布施持戒精進忍辱梅を干す 達磨寺や干し上がる梅二百瓩 |