aoilogo2004年3月藍生主宰句
寒明くる
黒田杏子

 狐火のみづみづしきは父母の山
 白魚を桑名に汲める二日かな
 大寒の月光浴の舟出とも
 寒月光に舞へりけり鶴一羽
 寒満月遊行上人遊行の眼
 寒行の海より昏き深きこゑ
 探り得し紅梅一枝奉る
 対座して梅原先生日脚のぶ
 紅梅や勤め休んできたるかほ
 節分草墓山に降る星の数
 タクシードライバー眼鏡はづす節分草
 寒明くる遍路吟行七年目
 立春の月こそまぶし響灘
 満行のかほを節分草に寄せ
 寒明くる応挙の孔雀夢に啼き


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