aoilogo2004年2月藍生主宰句
玉霰
黒田杏子

 霰聴く柱に倚れば炭熾り
 雪吊やふと白山の星の数
 寒雷のふたたびみたび月の山
 月明の白山比唐芫ハ霰
 極月や鶴来の宿に炭継いで
 白山といふ加賀の酒年惜しむ
 うっとりと炭火をみつめ岩魚焼く
 細見綾子井上雪を語る冬
 蕪鮓送らんとして母の亡し
 小雪聴く金を蒔きたる馬上杯
 坂東の冬青空に骨董屋
 手あぶりを値切って買って千葉寺
 青鷺の振り向く終大師かな
 千葉寺の佛師と語る冬至かな
 極月のかはせみとしてよぎりけり


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