Tetsu Ikuzawa with Porsche 917K
In 1971 Fuji Masters 250Kms Race
Built by Takehiko Sudou


TOP : Porsche 917K and Tetsu Ikuzawa in Fuji SW.
He had 2nd place in Fuji Masters 250Kms race.
Built by Takehiko Sudou.
This is 1/32scale slotcar model.
(C) Photographs by Takehiko Sudou.

 
10月10日・・・
1960年代から70年代において、「体育の日」は10月10日であった。 
その日はいつも「晴天」だった記憶が多い。1964年の東京オリンピックもそうだったし、1969年の日本グランプリでも晴天だった。 しかし、1971年だけは違っていた・・・・。

 その時の私の心境(当時、高校3年生でした)を過去に書いています。「独り言 プロローグ
 また、その時にペンタックスSPで撮影した画像は「1965年50年 後編」に掲載しているので、ご覧頂ければ幸いだ。

さて、1971年富士グランチャンピオンシリーズ最終戦に満を持してエントリーしたTetsuのPorsche917Kは、Tetsuが当時マスコミから激しくパッシングを受けていた「落ちた偶像」報道を打ち消すための秘密兵器であった。
また、このレースになんとか勝利し、「やはり生沢は凄かった!」と言わせる必要もあったのだ。
当時のTetsuのヨーロッパF2参戦のためには、多大な費用がかかる。それまでTetsuは、それらをほとんどスポンサー契約金でまかなっていたと言ってもいい。 スポンサー契約更新、または新規契約のための条件は、レースで優秀な成績を残すことだ。それも国内のビッグレースで名を上げることが条件である。
しかし、ここ数年のTetsuは、勝利どころか完走も中々おぼつかないでいたからマスコミより「落ちた偶像」報道は出るはで散々であった。 さらにTetsu にとって痛かったのは、1970年JAFグランプリにおいて、選手宣誓拒否(招待外人ドライバーのオールギャランティ待遇に対する日本人ドライバーの待遇の差別に対して抗議の意味)をして、JAFより1年間の国内レース出場停止処分を受けてしまったことだった。

 そんな出来事が重なり、Tetsuとしては、今回の富士グランチャン マスターズ250Kmレースは、是非とも勝利したいレースであり、これからのレース生命に関わる重要な意味合いを持つものであったのだ。

 レース結果としては、総合2位という成績で一応満足いく内容であったが、優勝したのが後輩の「風戸 裕」であり、マシンも Porsche 908II と、どうみても風戸の活躍の方が注目される内容であったことは、Tetsu にとり、想定外の出来事であったと想像する。

 しかし、それでも Tetsu の Porsche 917K はカッコよく私には見えた。 高校時代に入部していた美術クラブでは、油絵でこのTetsu の 917K の勇姿を描いてしまったぐらい思い入れがあった。

 さて、今回の企画ページは、1971年10月10日から44年目を迎えた今年、モデラーであり、スロットカーの達人でもある“須藤 武彦”氏がTetsu シリーズの1台として製作したリペイントモデルの 1/32 Porsche 917K Tetsu Ikuzawa の完成にちなんで、作らせて頂いた次第だ。
 いつもながらの素晴らしい出来栄えに驚愕である。 この場を借りて須藤氏にお礼を申し上げたい。




TOP : The winning #88 Porsche 908II by Hiroshi Kazato and Tetsu's 917K.



1971 Porsche 917K with Tetsu Ikuzawa in Fuji.
(C) Photographs and built by Takkehiko Sudou.



 いつも通り、基本的に“FLY製1/32ポルシェ917K”のプロポーションは弄らず、パーツも既存のものを使うという点で、今まで仕上げたモデルとのコンセプトは変わりませんが、今回はこのマシンの特徴であるフロントカウルの手直しを中心にやりました。 ダクトやサービスリッドのスジ彫りを塞いだりと特有のフラット感のあるカウル上面の再現、フロントフェンダー上にあるガスキャップの新設が主な加工点です。
 両サイド下面と、ドアラインの前からフロントウインドウ下面のふちにかかるシルバーの部分は、シルバーのデカールシート貼りで再現しています。
 フジミの1/24キットとエブロ(SPARK)のIKUZAWAコレクションの1/43を参考にしつつ、日本の名レース100選71’富士マスターズ250キロを主な資料としました。
 今回は牧野さんに無理を言って、SEIKOの色味とリサイズを追加でお願いし、さらにMITSUBISHI OILのマークの細部の手直しまでしていただいたおかげで、大変満足な仕上がりとなりました。


                                                         By Takehiko Sudou



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