A SPECIAL REPORT  OF MODEL SPEED LIFE 
Dr.K のMODEL CAR RACING 時評”
A MYSTERY OF 1/24 SCALE "MASERATI 3700GT"
 ある時は“ただのオジさん”、そして、ある時は“Dr.K”。
鋭くDr.Kのメスが核心に迫る!
ここに“モデルカー・レーシング”の謎が解き明かされる!

"MASERATI 3700GT"

manufactured by nihon mokei !?
Have you ever seen it before ?

 

 日本模型製 1/24 scale “マセラーティ 3700GTの謎に迫る!!

  9月中旬、牧野氏から、今度アップするらしい”今、蘇る・・・モデル・スピード・ライフ”なる企画のテスト・ショットが送られてきた。 おっ・・・!! 又、面白い企画考えてるなーと思いながら、つらつら見ていると、”Dr、Kのモデルカー・レーシング時評”なるコーナーが在るではないか・・・?!。 まさか、と思いきや・・・!!。 やはり・・・!!。
  そんな訳で、期限無し、責任無し、制約無し、の三無しを条件に、お引き受けする事にした。文章など、ここの所、メール以外に書いたことが無い私だが、ビンテージ・スロット・カーが好きということだけでお引き受けした次第なので、読み辛い点は、ご勘弁頂きたい。

  第一回目の今回は、主宰者の書いている「日本模型製ロータス・レーシング・エランの謎」同様、日模のキットで不思議に思っていたマセラーティ3700GT(ミストラルであろうか?!)を取り上げて見たいと思う。
  日模のスロット・キットの箱絵のサイドには、“くるま村の少年たち”では主宰者の思い出のクルマとなっている「マンタレィ」などと並んで 1/24 マセラーティ3700GTなるグリーンの車が載っている(Photoograph no.1)。

Photograph no.1

Photograph no.2
 私は、過去にこの車を見た記憶が無いし、又、発売されなかったキットと考えていた。 ちなみに「モデル・カーズ12号(スロット特集号)」の巻末のスロット・リストにも、この車は載っていない。
しかし、私が持っているプラモのストックの中に、何時頃からかは忘れたが、日模の1/24“マセラーティ”のラジコン成る物が存在している(Photograph no.2)。もしかして・・・、と思い、今回それを引っ張り出して、検証して見ようと思う。
  スケールは1/24と書いてあるが、写真を御覧になると解ると思うが、やや、大きい様な気がする(Photograph no.3)。

Photograph no.3

Photograph no.4
ボディを外して見ると、御覧の様になっているが、良く見るとこのボディ、私には中々、魅力的に思える・・・!!(Photograph no.4)。  皆さんは、どう思われるだろうか!?。
 今回は、このプロコンなる車のメカ二カルな部分の説明は、割愛させていただき、ボディがスロットの転用であるのか、否かを見てみたいと思う(Photograph no.5)。

Photograph no.5

Photograph no.6
  先づ、目に付くホイールはプラではなく、アルミの引き物が使われており、シャフトはスロットと同じ3mm径で、螺子のピッチも当時の日模の物と同じである。 又、ホイールの止め方も当時と同じ、ナットで絞る方法が採られている(Photograph no.6)。
 ホイールを当時の日模の物と比べてみると、外形もリム幅も、殆ど同じようにみえるが、タイヤを外してみると、驚く事に、スロット同様、フロントとリアのリム幅が違い、タイヤもフロントの方が細く、小さいのだ。 タイヤは硬めで、日模の刻印が在る。リムとタイヤの接触部分には、滑り止めとおぼしき打刻による、スリットも見られる。
そして、外側リム部分のRは、当時の物より綺麗に削られている。  ホイール・インサートはプラスチックで、スロット同様、中に押し込むタイプである(Photograph no.7)。

(Photograph no.7) A 1/24 scale Porsche F-1 by Nichimo.
ふむ・・・・・????!!!!。 この辺は、当時のスロットの機構を踏襲しているぞ!!。
 さて、・・・・いよいよボディをじっくり観察して見よう。この車のプラの形成色は赤で、メッキ・パーツのはめ込み突起部を内側より、半田ごて等で熱処理して止めてある。 ウィンドウ等のクリア・パーツは薄いブルーの形成色で、中のプロポなどが見えずらい様になっている。 スロットのような上げ底のコクピットはこの車には存在しない。・・いや、内部の機構が多い為、シート等は作れなかったのが実情ではないだろうか。
それでは、当時の日模の手持ちのシャーシーにボディを仮乗せして、バランスを見てみよう。
  今回は、手持ちのアルミ・ラダータイプのF−1用シャーシを用いた為、ボディ、フロント・ポストがシャーシーと上手くマッチせず、御覧のような状態となってしまった(Photograph no.8)。

(Photograph no.8) Look !! This is miss much !!
もし、この車のボディが当時のスロットからの転用だとすると、新たなるシャーシーが存在したのか・・・? はたまた、ラジコン用に設計されたボディなのか・・・? しかし、ボディのマウント・ポストを見ると、ポストだけ黒のプラスチックで後ずけされている・・・!?
ふむ・・・・・!?。謎が深まるばかりで一向に結論が出せないまま終わってしまうのか・・・(笑)。     
皆さんは、どう思われるだろうか?! 御存知の方がおられたら是非とも連絡を頂けたら幸いだ。
  ここで暫く、当時の事を思い出して見るのだが・・・・、猛威を振るったスロット・カー、ブームも1年半程で収束し、スロット・キットを作っていた各模型メーカーはその後どのように経営を考えたのだろうか?!。
 スロットの次に来るミストラル(ヨーロッパにロシア方面から吹く突風!)は・・・!? そう誰もが予想しなかった“ラジオ・コントロールカー”の存在ではなかっただろうか。当時、“ラジコン”はまだ高嶺の花だった、ところが一部の間では飛行機を中心としたラジコンが流行り初めていたのも事実であった。 日模がそう考えてもまったく不思議ではない。いやそう考えた方が正しいのではないだろうか(身勝手な憶測をお許し願いたい!!)!!
  そういえば、私の友人の中に金型屋を経営している人物がいる。前に車のプラモ、1台分の金型の価格は数千万と言う事を聞いた事があるが実態はどうなのだろうか?!  
もし、当時、箱絵にまで発売を予告していた日模であれば、既にエラン同様、ボディだけの金型は出来ていた可能性は十分に在ると思われる。それほど高価な金型が存在するなら、使わない手は無いと思うのが常だが・・・。
 ところで、このマセラーティのミニコンは70年以降の発売だったように記憶している。ともあれ、結論は、当時の日模の関係者に聞けばいずれ解る事だが、私にとって最高にミステリアスで、なによりも是非手に入れたいモデルカーの1台なのである。もし可能ならばこの日模のシャーシーを宛がって、世界にたった1台しかない“幻のマセラーティ3700GT”として、サーキットを走らせて見たいものである。
by Dr.K 


(C) 7/OCT/2000 Photographs, text report by Dr.K.

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