TOP: Toyota 7 Full View
Toyota Original V8 DOHC 4968cc Engine.
580ps/9000rpm

(C) Photographs by Yoshiyuki Tamura and Bon Makino.

 トヨタ 7を間近に見て思ったことがある。
まず第1に、ノーズが思っていたイメージより短く、また、ホイールベースが異常に短く感じた。
このホイールベースについては、当時の日本CAN-AMの取材記事を載せていた「オートテクニック」誌の中にこんなコメントがあったので引用活用して紹介したいと思う。

「トヨタ製シャーシは、極端に短いホイールベースをもつのが特徴で、マクラーレンM12(マクラーレントヨタを指す)に比べると150mmも短い。これでもコクピットとエンジンの間には、さらに150mmのスペースが残っている。さすがにこれ以上に縮めると、操縦性をそこなうので、いずれはこのスペースに燃料タンクを置くことを考えているそうだ。後輪のトレッドは1400mmで、これはマクラーレンの1410mmに比べさして狭くない。しかし、2人のトヨタ・ドライバーに聞いたかぎりでは、M12の方が扱いやすいとのことだ。そのうちの1人は、トヨタシャーシのホイールベースは、短すぎるとまで語っていた。」

 トヨタ 7のホイールベースは、69年日本グランプリ時点での発表だと2300mmとなっている。
ところで、世界を見るとどうだろう。ポルシェ906-917までがトヨタ 7と同じ2300mm、フォードGT40-Jcar-MKIVが2413mm、フェラーリ512Sが2400mm、ローラT70MKIIIが2413mm(GT40と同じということはやはりエリック・ブロードレィの設計思想か?!)、マクラーレンM8Bが2390mm、そして、ライバル ニッサンR382が2400mm。
ポルシェとの比較で言えば、トヨタ 7は異例に短いとは言えない。しかし、レースに成功しているマシンたちを見ると2400mm前後が多いことが分かる。ただし、フォーミュラ1についてはスポーツカーと違いホイールベースが長いマシンがある。あのロータス72が2540mm、マトラMS120が2503mmがそうだ。しかし、ブラバムBT33などは2413mmに留めているところが面白い。
 視点を変えてみよう。1/24スケールのスロットカーにした場合はどうだろう!?
2400mmで100mmである。スロットカーに慣れ親しんでいるあるスロッターに聞いてみると100mmが理想だという。
実車にしろスロットカーにしろ、やはりバランスがとれる寸法というのがきっとあるのだろう。

 ということで、脇道にそれてしまったが、トヨタ 7のホイールベースはやはり短いと見るのが妥当だろう。
その証拠に、翌年1970年に発表されたターボチャージド・トヨタ 7は2350mmに拡大されていたことでもわかる。
 
 その他今回のトヨタ 7を見て感じたのは、インダクションポットの入り口に網が張ってあったこと。ホイールのスピーナーが廃止され、センターナット化されたことなどである。ステアリングは当時のまんまであるように見える。
「あのステアリングを川合 稔が握っていたのか・・・」とつい思ってしまった。
 


TOP : Hiroshi Fushida's Toyota-7 V8 5000cc drives into the Fuji Speedway Straight.
(C) Photographs by Yoshiyuki Tamura.

(C) Photograph by Yoshiyuki Tamura.

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(C) Photographs by Yoshiyuki Tamura.

Special thanks Hiroshi Fushida.